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祭の影響か、一向に客の入らない店内には、年季の入った柱時計の変わらないリズムだけが、響く。
それが子守唄の様に眠気を誘い、ミーシャは時折、目を擦る事で凌いでいた。
だが、その苦労も諦め、夢の世界に落ちてしまうようにカウンターに突っ伏そうとした時、店の扉が勢い良く開き、鈴の音がけたたましく店内を駆け抜け、ミーシャは文字通り飛び起きる。
「いい、いらっしゃいませっ!?」
「あー、ミーシャちゃんまた寝てたー」
「ミーシャちゃん寝てたー」
入ってきたのは子供達だった。
カウンターまで駆け寄り、自分をからかう子供達に、ミーシャは一生懸命対抗していると、子供達の後ろに見知らぬ女性がいるのに気付いた。
「あ、いらっしゃいませ」
「ん? あぁ、うん、ここってお店?」
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