†歌†

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「はい。村で唯一の薬屋です」 ミーシャの説明に女性は、感嘆の声を漏らしながら、店内をぐるりと見渡す。 それから、カウンターを出て子供達と話すミーシャに視線を戻し、尋ねた。 「全部貴女が作ってるの?」 「え? あ、いえ、調合はおばあちゃんがやってます」 「あー、だよね」 ミーシャが首を傾げながら、女性の方を見るが、女性はカウンターの上におかれた魔術書に視線を移していた。 「魔術士なんだ」 「へ? あ、一応……」 「色は?」 「緑ですけど……」 「へぇー」 再びミーシャに視線を戻し、問いを続ける女性。 「なんでアカデミア行かないの?」 「え?」 「此処からなら、隣町のアカデミアに通えるじゃん」 「……卒業しましたけど?」
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