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「ありえない……ありえないわ……どう見たって十四、五にしか……魔術士って本当なのね」
ミーシャが、背中を摩りながら椅子を起こし、元の位置に戻して座ると、女性は頭を抱えて何か呟いていた。
「あのぅ……」
「なに」
「一応聞きますけど、初対面……ですよね?」
「当たり前じゃない」
「ミーシャ・バビロン」
「……は?」
話の流れを無視して、自らの名を告げるミーシャ。
しかし、女性はそれがミーシャの名前とは知らない為、怪訝な顔を見せる。
「聞いた事ありませんか?」
「いや……ん? ミーシャ? それって――」
女性は、先程子供達が彼女をミーシャと呼んでいたことを思い出した。
「はい、私の名前です」
「なら尚更知らないよ。というか何で?」
「その……私、九歳より前の記憶が無くて……」
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