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ポータブルスピーカーから流暢な英語が流れる。勝利の好きなバンドの曲らしいが、詳しい事を平和は知らない。とりあえず、日本のバンドだという事ぐらいしか分からないし、興味もない。
屋上に空を遮るような天井はなく、錆びた鉄柵があるだけだ。陽気とも陰気とも言えない音楽が壁に反射しない。
「あー、彼女欲しい」
購買で買ったサンドイッチをかじりながら言うと、椎名はデコデコされていて実に邪魔そうな付け爪を外しながら呟いた。
「――ロリコンの台詞とは思えないな――」
「あ、それ同意」
自分で作ったのか、日の丸弁当をあぐらの中に広げながら勝利が賛同する。平和は眉をひそめた。
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