1人が本棚に入れています
本棚に追加
落ちて来た、というのは正確ではない。
まるで風に乗った蒲公英の種のように、フワフワと“それは”降りて来た。
その姿は魔物でも植物の種子でもない。
金髪の少年が、まるで楽しい夢でも見てるかのような表情で、その瞳を閉じていた。
「え…………?」
暫し沈黙していた少女が、我に返る。
「空から………人が…………?」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」
一方、船内
「今の声……カノンノか?」
「おやぁ、海にでも落ちたんでしょうかねぇ?」
「相変わらずとんでもない事を言うねぇ、この陰険メガネは……」
最初のコメントを投稿しよう!