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数十分後………
「…………」
「あ、気がついたんだね!」
少年が重い瞼を開けると、透き通ったような蒼い瞳が露になった。
少年は自身が寝かされていたベッドから起き上がり、辺りをキョロキョロと見渡す。
「どうやら無事のようですねぇ」
ふと聴こえた声の方に眼を向ける。
そこにいたのは、栗色に染められた髪を肩まで伸ばし、一般的に“軍服”と呼ばれる青い服を身に纏い、メガネを掛けた男性だった。
「ご安心下さい、決して怪しい者ではございません。
私はジェイド・カーティス。このギルド『アドリビトム』のリーダーを務めさせて頂いている者です。
どうぞ、お見知りおきを」
そう言いながら、ジェイドと名乗った男性は少し俯きメガネを上げる。
「ギルド?アドリビトム?」
きょとんとして首を傾げる少年を無視して、話は進む。
「それにしても驚きました、まさか空から客人が降ってくるとは。
よほど、このギルドに急な用事でもあったのでしょうか?」
「もう、ジェイドさん!こんな人までからかうのは止めて下さい!」
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