0人が本棚に入れています
本棚に追加
純白の世界――
辺りは一面雪景色。
教室の窓から校庭を見つめる。
私の席は窓際。
授業中だが
先生の話は全く聞いていない。
それどころか雪に見とれていた。
真っ白でフワフワとした雪が、もう5時間近く降り続いている。
この街に雪が降るなんて、とても珍しいことであった。
他県に旅行に行ったときに雪は何度か見たことがあるが、この街で雪を見たのは生まれて初めてだ。
私の名前は矢沢 杏。
ふと、幼い頃の記憶が蘇る。
それは、小学校に入学する前の幼稚園のときの冬の事であった。
――ねぇ知ってた?
最初のコメントを投稿しよう!