亡き母

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純白の世界―― 辺りは一面雪景色。 教室の窓から校庭を見つめる。 私の席は窓際。 授業中だが 先生の話は全く聞いていない。 それどころか雪に見とれていた。 真っ白でフワフワとした雪が、もう5時間近く降り続いている。 この街に雪が降るなんて、とても珍しいことであった。 他県に旅行に行ったときに雪は何度か見たことがあるが、この街で雪を見たのは生まれて初めてだ。 私の名前は矢沢 杏。 ふと、幼い頃の記憶が蘇る。 それは、小学校に入学する前の幼稚園のときの冬の事であった。 ――ねぇ知ってた?
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