~ 先輩 ~

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~ 先輩 ~

「ナカガワさん!どうでした?私の初扉前スピール。」 ミクは、ロストリバーデルタの先輩、ユニット・トレーナーである『ナカガワ・シズエ』にデビューの出来栄えをたずねた。 「良かったよ!初めてにしては上出来ね!他のポジションもその調子で頑張って! さあ、55分までブレイクだよ、私も後から追いかけるから先に行って!」 ミクは、嬉しそうにブレイクエリアのシーキッチンへ向かった。 空席を見つけ、冷たい氷水を手に座った。 「あなたがミクちゃんね!」 突然、見ず知らずの私服のキャストが話しかけてきた。二人連れだった。 「ここに座らせてもらうね!」 と遠慮なく二人はミクの前に腰掛けた。 「ミクちゃん、聞いたよ。ハンガーに入ったんだって。 あっ!ごめん。自己紹介もしていないのにびっくりしたでしょ! 私は、『ミツハシ・カヨコ』そして彼女は・・・・」 「自分で言うよ!私は『ヒロハシ・アサミ』よろしくね!」 カヨコが続ける 「私たちは、元ハンガーのキャスト、つまりミクちゃんの先輩ね! あなたのことは、マツダ先生から聞いたんだ。Nさんと話できなかったんだね・・・ 私たちも、もう一度話しがしたかったけど・・・・ 一ヶ月前のNさんのこと、すぐに元ハンガーのメンバー全員に連絡が入ったけど、すぐには来れずに、やっときのう日本に帰ってきたの、それで今日はここにいるわけなんだけど」 アサミが話す。 「オカヨは、今ね、オーストラリアの『オージーディズニーリゾート』のゲスコントレーナーをやってるの。 そして私は、ラスベガスの『ホテルディズニーマジック』でロストリバー・ザ・ミスティックリズムのトレーナーをやってるの、だからミクちゃんと同じディズニーの仲間ね」 「あっ、来たよ!妖怪」 とカヨコが向こうから歩いてくる女性を指差し手を振る。 「だれが妖怪なの!オカヨ」 「あの~、ナカガワさんは妖怪なんですか~?」 ミクが質問する。 「あのね、ミクちゃん、ナカガワさんはね、なが~いあいだジャングルに住んでいるから妖怪になってしまったのよ」  とアサミが笑いながら言う。
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