~ ドクター ~

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~ ドクター ~

WDFRの中は静まり返り、全員が壇上のミセス・ミクシィをじっと見つめている。 「ラスベガス支社のジョージ、どこにいますか!」 「ここです!」とジョージは手を挙げて答える。 「ああ、そこね、ありがとう。 ねえジョージ。ラスベガスのホテル『MGMグランド』のオーナー、スティーブ・ウィン三世の夫人でありラスベガス・エンターテイメント・インスティチュートの理事『ミセス・アサミ・ウィン』を知ってるでしょ!」 「はい!もちろんです。いまの話の女性は・・・、ミセス・アサミなんですか!」 「そうよ。この時ハンガーで初めて出会い、今もいろいろ相談にのってもらってるの。」 ジョージは感激の表情を見せる。 「それから、オーストラリア支社のメグ!どこ?あっ!そこにいるわね」 メグがうなずく。 「あなたこの間、オーストラリアの自然動物保護協会の『ミセス・カヨコ・ジョーンズ』と食事したわね!それがオカヨさんです。」 「えーっ!感激です!」 メグが立ち上がって喜んでいる。 「オカヨさんは、本物の動物相手に今も現役でがんばってるわ!」 にわかに、会議室内がざわついている。 「TDSのハンガーステージでは今もミスティックリズムは上演されているけど、7年ほど前から、安全性の確保とクオリティーの均一化のため、ダンサーが全員『ヒューマン・ドロイド』・・・  つまりロボットになったんで、人間味がなくなってしまったのよね。 ダンサーが人間だったころは、キャストはいつも緊張してモニターしていたものだけど・・・・ 話を戻すわね。 入社後しばらくたって、Aキャストになり仕事にも慣れてきたころ、私には初めての事件が起きました。」 ミクシィはまた続きを話はじめた・・・・
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