~ ドクター ~

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~~~~~~~~ 「おっ、お客様!大丈夫ですか!」 再入場ポジションにいたミクがショー終了後ゲストを見送っていたところ、子供が階段につまずき転倒し頭を床にぶつけた。 「しんちゃん!大丈夫!! ああっ!血が出てる。おねえさん救護室へ連れて行って!」 「はっ・・・はい!すぐご案内します!」 ミクは動揺しながらも応対をした。 「ミクちゃん、出血は少ないので、歩けるようだったらPFAにエスコートしてあげて」 シズエが小声でミクに言った。 「わかりました。」 幸い、軽傷のようで、子供は泣いているが意識はしっかりしており、母親が抱いて救護室へ行くことを要望したため、エスコートすることになった。 ミクは、必死で落ち着こうと自分に言い聞かせ、トレーニングで習ったことを思い出して対応を続けた。 ほどなく、PFAに到着、ドアをノックし先導し中に入る。 「あの~、ゲストの方がケガをされたので手当てをお願いします・・・・」 受付にいるナースが言う 「ご苦労様、そちらのお子様ね!すぐに処置しましょう!どうぞこちらへ・・・ 先生、先に止血しますので後で診察していただけますか?」 ナースは奥にいた医師にこう言い、さっそく止血にとりかかった。 その医師がミクの方へ近づいて来た。そして話しかける。 「ハンガーの新顔ね?お名前は?」 「カヤノ・ミクと言います。」 「あなたがミクちゃん!いつ会えるかと思っていたけど・・・ 初めまして、私はPFAの担当ドクター『カクライ・ミユキ』よろしくね!」 「よろしくお・ね・が・い・し・ま・す・・・」 キョトンとしているミクに 「後はこっちに任せて! もう、ハンガーに戻って良いよ。 ほら!4回目入れこみ5分前よ! きょうは日曜だし4時の回は混むでしょ。 心配しないで、さあ行って!」 「はっ、はい!」
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