~ キャスト ~

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~ キャスト ~

「豚汁ね!おいしそうだね、Nさんいつも豚汁食べてたよ」 「あっ!ドクター・カクライ、こんにちは!」 「いいよカクさんで、ミクちゃんランチなら時間あるよね、ちょっと話できるかな?」 ドクター・カクライはシーキッチンのミクの隣に座った。 「どう、ハンガーの仕事慣れた?」 ミクが答える 「まだ広場ポジションがマスターできなくて・・・ カットワンが入った後、3階の残席確認待ちの時間に1階2階の残席へスムーズに流しが出来ないんです。」 「ふ~ん。昔と比べてずいぶん難しくなってるね。 ところで、この間のミクちゃんがPFAに連れてきたケガした男の子、『ウノシンタロウ』くんって言うんだけど、あのあと元気にオンステに戻って行ったよ。 『ぼく、大きくなったら、ディズニーのおにいさんになる』ってね。 あのさ、私がハンガーのキャストだったころ思ってたのね。 ディズニーには毎日たくさんのゲストが訪れるけど、みんな楽しい思い出を創りに来るわけよね。だからみんな楽しむつもりでパーク内の施設を回って行く。 そんなゲストにハピネスを提供するのは簡単なことだ。って思ってた。 そして、いつからか心の底から救いを求めてる人を幸せにしたいって思うようになった。 そこで考えたのが『ナース』になるってことだったの。 私は『ナース』になるためにディズニーを退職し、一から勉強し、そして希望はかなった。 病院には毎日病気やケガでたくさんの患者さんが救いを求めてやって来る。 私は、誠心誠意ナースとして処置や看護・介護にあたったの。 患者さんから感謝され、とっても充実した日々をすごした・・・・・ そんな時、ハンガーの仲間から連絡が来たの。 あれは私がやめて半年ぐらいたった頃だったと思う。 TDSで5周年のキャンペーンが始まってすぐのこと、運営部でロケーションが統合されるって話が舞い込んできた。 当時、ハンガーはショーゲストコントロールのユニットに所属していたんだけど、ロストリバーの中へ組み込まれることになったの。 みんな動揺していたわ。だってずっと仲良くクロスで親しくしていた人たちと一緒に仕事ができなくなるんだもの。辞めようと考えたキャストもいたの。 でも、キャストの意見が通るわけもなく、その統合は実行された。
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