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彼はTDL開園の年の夏、初めてインパークして以来キャストになる夢を持ち続け、25年後の46歳にしてその夢が実現しました。
ロケーションは「ハンガーステージ」で、ゲスコンという仕事を任命されました。
彼は心からゲストとの対話が好きであり、ほとんどが20歳代の若いキャストに囲まれながらも楽しい日々を過ごしたのでした・・・・・
長年に渡り、雨の日も風の日も、雨ニモマケズ風ニモマケズ・・・・
雪の積もった日も、いつも明るい笑顔ですべてのゲストとキャストに接し、生涯一キャストであることを望み、楽しい日々を過ごしました。
70歳を過ぎ、オンステージキャストに限界を感じた後は「シルバーランド」(営業時間外の深夜のTDRのことをキャストの間ではこう呼ぶ)に身を転じ、カストーディアルとして開園前のオンステージのクリンリネスに務めていました。
ある日の深夜3時頃、入社時からの彼の友達である『ミセスグラント』(彼女もシルバーランドのキャストになっていた)が掃除をしていると、ベンチに腰を掛けて下を向いている彼を見つけました。
ミセスグラントは、彼がどうしたのか心配になったので声を掛けました。
でも、彼からの返事はなく、まるで眠っているようでした。
このとき、彼はすでに息が絶えて永遠の眠りについていたのです。
彼の手の中にはPHSがあり、出るはずのないCFAラン、91・4000番への発信がされたままになっていました。
彼の人生で最初で最後の自分自身のためのCFAラン・・・・・でした。
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