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「ドクター・カクライ、担当外ではないですか?」
ナースが心配そうに聞く。
「そんなことは関係ないの。いまこの事態に対応できる人間がやるしかない!
指をくわえて担当医師が来るのを待つなんて私にはできない!
ああ・・・ミクちゃんごめんね。ありがとう。後は任せてロケーションに戻って。」
「は・い・・」ミクは返事をし病室を離れようとした。その瞬間。
「イ・カ・ナ・イ・デ!コ・コ・ニ・イ・テ・ク・ダ・サ・イ!」
ベッドの女性がミクの腕を握り締めた。
ミクは、はっとして身動きが取れなくなった。
「ミクちゃん!ここに居てあげて、気に入られたみたいだね
ロケーションにはナースから伝言しておくね」
カクライは微笑みながら言った。
「わかりました。私、出産に立ち会います!
奥さん、ずっとここにいますからね。心配しないでください。」
「ア・リ・ガ・ト・ウ」女性は嬉しそうに礼を言った。
「じゅあ、始めるわよ!ミクちゃんも手伝ってね!」
「はい!
でも・・・・ カクさん。出産の処置って経験あるんですか?」
「ないよ!でも、研修でやったことあるからやり方は知ってるわ!なんとかするよ!」
そんな会話をしながらカクライは必死でがんばった。そして1時間ほど経過したころ、産婦人科医が到着した。
そのとき、
「オギャーッ!・・・」
元気な赤ちゃんの鳴き声が病室から聞こえてきた。
突然、PFAの受付から大勢の人の歓声が沸きあがった。
産婦人科医はすぐに病室に入る。
カクライが医師に経過を伝え引継ぎをする。
その間ミクは女性に話しかける。
「おめでとうございます。元気な男の子ですよ。
おかあさん!お子さんが大きくなったらまたTDSに遊びにきてくださいね。
これ、差し上げますので記念にしてください!」
とミクは、クロストレーニング用に渡されていたレイジングのフューチャーライドカードをプレゼントした。
「ア・リ・ガ・ト・ウ。
カ・ナ・ラ・ズ・ボ・ウ・ヤ・ト・イッ・ショ・ニ、マ・タ・キ・マ・ス」
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