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~ ファイブスター ~
「ミセス・ミクシィ!これはどういうことです?」
ケビンは動揺を隠せない様子でたずねた。
ミクシィはやさしい口調で答えた。
「ケビン。私はあなたのおかあさんと出会ったあの日以来、手紙やメールでお付き合いが続いたの。だから、あなたのことはずっと昔から知っていたのよ。
ただ、彼女がどうして私のことやあなたの出生について話さなかったのかは、わからないけど・・・
あなたのおかあさんは、自分自身がキャストになりたかったって、話してくれたわ。
でも年齢や自分の健康上の理由であきらめていたようね。
その夢をケビン、あなたに託したんだと思う。
でも、強制はしたくないと言っていたけど・・・
どう?ケビン?」
「はい、強制するようなことはありませんでした。
ただ、そうなれば嬉しいというようなことは冗談っぽくいつも言っていました。」
「そうね。でも私は、彼女が亡くなってから絶対にあなたがキャストになるよう支援しようと決めていたの。
幸いあなたは『フューチャーライドカード』を持っていたから追跡は簡単だった。
でも、なんの心配もなかったようね。
だってあなたは自分の意思でりっぱにキャストになったんですもの。
みなさん!どうです?ケビンが30年前に起きた出来事を一部変えてしまったのに、その後の私達の人生は何の変化も起きていないのです。
『定められた人の運命の大きな流れは、無理に変えようとしても変えることができない』ということがわかるでしょう!」
会議室内のメンバー全員がこの不思議な事実に納得した表情を見せている。
「さあケビン、そのカードのICチップをはずしましょう。長い間ありがとう。
さて本題に戻りますが、その前にもう一つ私の運命的な出来事を話さなければなりません。
それは、ケビン出産事件の2週間後のことです・・・・・」
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