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「あのね、人んちの食糧ぜーんぶ食うか普通?」
「荒ぶるおとめの胃袋は、いくら食べてもエンプティー!」
「お前の頭がエンプティイイ!! つうかお前、俺の魔力が目当てなんじゃなかったっけ? ん? うちの食糧ぜーんぶ食べといて、どう落とし前つける気だ? んん? 俺は精霊の恩返しでも期待していればいいのかな? んんん?」
桃髪幼女に近付き、口元をひくりとさせながらリッキーはメンチを切る。
この極貧山小屋生活を四日間過ごせるだけの食糧を失ったのだ。
しかもよく考えれば住居不法侵入という劣悪な所業も付随されての事。
一言。
例えば「もう五日も何も食べてない」とか、「ごめんなさいお金がなくて」とか。
リッキーも鬼ではない。そういった理由でもあればそれなりの扱いをするのだが、この幼女ときたら、ただでさえ劣性不利な状態であるにも関わらず。
「あ、そうだ」
次の瞬間、絶対に言ってはならない言葉を放った──
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