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背の低い二階建て程度の石造建造物と、全長十メートルはあろう石木混造建物が立ち並ぶ街並み。その後方には一際巨大な物や豪奢な物も存在し、街の中心に向かうにつれ、生活の核を担う政治関連の重要な建築物や公共機関が集まっている。
街の周りは外壁で囲まれており、東西南北に設置されてある出入り口には門番が鎮座する。
アザリア。
それが、この街の名だ。
山間に存在するここアザリアは近郊に鉱山があるため、発掘が盛んである。
長方形のブロックが敷き詰められた石畳のメインストリート。行き交う人々を見れば、採掘道具片手に練り歩く者も多く、生活に根付いていることが良く分かる。
と言っても決して埃っぽい訳ではない。
並ぶ店舗は食材、雑貨、鍛冶に大工。より取り見取り多種多様。他の商業もしっかりと機能している。飛び交う声の威勢が良い。
そんな活気ある街中をリッキーは歩いていた。
簡素な麻の服はベージュ色。下半身は紺のハーフパンツとその下に黒色ホーズ(タイツの原型)。足元のブーツはくたびれていて、全体的に何処か気の抜けた印象を受ける。その上、首元は黒のマフラーでゆるく装飾されていた。
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