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クリーム色の髪で覆われた頭を掻きながら、リッキーは心の中で呟く。
──いかん。
──冬に蓄えた金がいつまで持つか……
手元の財布に重みが無い。
そっと中身を覗いてみれば、紙幣が二枚と貨幣がちょろり。
──お前、こんなん野菜買ったら終わりだよ。
何故そんなに金が無いのかと問われれば、無職だからとしか答えることができない。
では何故無職かと聞かれれば、明確な答えを持ち合わせていないのでそれに関しても明言できない。
ただ、全くの無職というわけでもない。
住まいの裏にある山で狩猟をし、獣肉を売って生計を立てているとでも言っておけば、多少なりとも聞こえは良いだろう。いわゆる狩人である。
そんな狩人リッキーが何故アザリアの街に訪れているのか。
理由は一つ。
例の桃髪幼女が消費してしまった食糧を補充するためだ。
ここアザリアの街は、リッキーの住まう山小屋から一番近い都市国家である。
物資の流入ルートが確立された街は、山間にありながら海産物の入荷も盛んであり、山暮らしを営むリッキーにとっては食材の宝庫。
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