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チリンチリン……っ
チリンチリン……っ
鈴の音に起こされた。
桜はまだ私の回りを舞っている。
チリンチリン……っ
チリンチリン……っ
寝起きのぼーっとする頭で舞う桜を目で追っていると、
一面ピンクの向こうに人影が見えた。
「誰…?」
少しづつ風がおさまって、
人影がはっきりと見えた。
男の人だ。
全く見慣れない男の人。
顔がとかじゃなくて、
服装や全てが見慣れない。
袴に羽織を着て、腰には大小の刀。
高い位置で結った長い髪の毛が、風に揺れてる。
この人、なんでこんな格好してんの?
刀なんて差しちゃって。
余りにも突飛な格好の男の人から目が離せない。
男の人が少しづつ近付いて、
はっきりと顔が見える所まで来た。
「うわ…っ…イケメン…」
涼しげな切れ長の目にすーっと通った鼻筋。
口角の上がった薄い唇。
折角イケメンなのになんでその格好?
似合ってるけど…
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