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イケメンは私の姿を認めると、 眉間に皺を寄せて鋭く睨み付けてきた。 「お前、そこで何をしている。」 低く、敵意むき出しの声で冷たく問われる。 何をしてるって… え~っと… ん…? なんでここにいるんだっけ? 鈴の音が聞こえて、 桜の木が暖かくって、気持ちよくって… 否、その前。 走ってここまで来て… 走って?なんで走って来たんだっけ…? ……そもそも走ってた? 『大丈夫』 言ったのは……誰? 「あ、あの…私……」 記憶を辿ってあたふたする私をイケメンはずっと冷たい目で見ていて、 左手が、常に刀を握っている。 「お前は何者だ?その格好……南蛮人か?」 何者だって言われても…南蛮人って言われても… 南蛮人?アメリカ人ってこと? まさか!私のどこをどう見たらアメリカ人に見えるのよ。 .
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