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「私は、日本人です…。あなたは?」
威勢よく何か言ってやりたいところだが、
イケメンから出る、異様なオーラに弱弱しく答える事しかできない。
「俺の事などどうでもいい。お前のその格好はなんだ?
そんな奴この国にはいない。」
え?あなたの格好こそこの国にはいませんよ。
この人大丈夫なのかな…?
「どこから来た?何者かを言え。さもなければ…」
カチャリ…
えぇっ?この人まさか刀抜く気?
こんな街の真ん中でそんなことしたら逮捕されちゃうよ?
私、今物凄くヤバイことになってる?
「あ、あの…私は…。」
言い掛けて後ろから走ってくる人に視線が移った。
「一君何やってるの?」
爽やかに、楽しそうに近づいてきた、美少年。
この人もまた、袴に羽織。腰には刀。
私が知らないだけで実はこの格好流行ってるとか?
いや、無い無い。
そんな人街でも雑誌でもテレビでも見た事無い。
「ん?何この子、一君の知り合い?変な格好してるね?
あれ?もしかして一君この子の事斬ろうとしてた?」
斬るってそんな恐ろしいセリフをサラリと…。
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