491人が本棚に入れています
本棚に追加
/228ページ
「別れてくれないかな?」
放課後、いつも通りに待ち合わせをしたはずだった。
昨日の夜の電話も、メールもいつも通りだった。
「え?なんで…?」
「悪い。お前が悪いってわけじゃないんだけど…。…別に好きな人が出来た。」
困り顔で頭をガシガシ掻きながら俯いて、何でも無い事みたいに言う。
「そっか…。」
何て言ったらいいんだろう…?
突然な彼の告白に、言いたい事はいっぱいあるはずなのに。
「わかった。元気でね。」
笑顔まで作って、手を振った。
「お前も元気でな。お前可愛いからすぐ彼氏できるよ。じゃあな。」
彼はほっとしたみたいに笑顔を作り、私の頭をくしゃっと撫でると大きく手を振って人混みに消えて行った。
呆気ない。
まさに呆気ない。
と言うか、
よく理解が出来なかった。
昨日、キスしたよね?
手繋いで歩いたよね?
なんで?
。
最初のコメントを投稿しよう!