緊急事態!!

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「…ごめんねぇ……由衣…」 私の目の前にいる母は いつもの強い母じゃなかった。 私は、花野 由衣[ハナノ ユイ] 現在高校2年。 いま私はとある病院の病室にいる。 目の前には弱りきった母が ベッドに横になっていた。 ベッドのサイドには点滴もある。 今日、私が高校で授業を受けているとき。 先生から 『花野のお母さんが倒れられたそうだ! 花野、急いで病院にいきなさい!』 といわれ とにかく頭が真っ白になりつつも病院にかけこんだのだ。 幸い、母は無事だったが 過労だと診断された。 長期入院が必要だとも言われた。 過労…か…。 当たり前だよね… 父が事故で死んでから 母は1人で私を育ててきた。 毎日働いて家事もして 疲れても弱みを見せない強い母だけど相当疲れていたはずだ。 私はため息をついた。 すると母が口を開いた。 「由衣、お母さん早く治すからね。安心して? 私が退院するまでの生活費は 銀行に貯金してあるのを使いなさい」 銀行に貯金してあるもの… それって… 「だ、だめだよ!! そのお金はお母さんと私で温泉旅行に行くためにためてたお金だし…!」 母は温泉旅行に行くのを楽しみにしていた。 だから、そのお金は絶対に使いたくない…! 「温泉旅行なんて… そんなこと、いいのよー…」 「よくないよ! 生活費は大丈夫! 私がバイトでもしてなんとかするから!!」 「バイトって… 由衣の学校、バイト禁止じゃない」 そうだけど…… 「…バレなければいいの!」 私はグッと拳を固める。 それを見た母は諦めたようにいった。 「無理だけはしないでね」 .
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