その声で…‐碧×紅蓮‐(未完)

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相変わらず学校はつまらない場所だ。なにをしても面白いと思うことはない。 毎日同じことを繰り返していた。 そんな平凡な毎日に飽き飽きして、あの日俺はとんでもないことをしてしまった―― そしてその日から 俺が俺ではなくなった …… … 一ヵ月前 キーンコーンカーンコーン 放課後のチャイムと同時に教室を飛び出すクラスメイトをみながら、深いため息をついた。 碧は無理にクラスに馴染もうとしていた。昼食や帰りはもいつも一人だったが。なにかと問題ばかり起こしては周囲から注目されお調子者キャラを演じる。友人がいないわけではない。が、自分を曝け出すことはできなかった。そんな嘘だらけの自分にうんざりしていた それなりに男女に人気もあったが、周囲にあわせなければならないことが不満だった。そんな他人に分かるはずのない孤独感は碧の中で暗い靄になって今にも崩れそうな脆さになっていた。孤独が嫌で愛想笑いしてきたが、もう今となっては学校なんか辞めたいと思うほどだった。 「今日もいつもどおりだ。いつもどおり……もぅ笑うのもつかれたな。はぁ…」 と呟き、ふと体育館裏に人が入るのを見つけた。何もない毎日に暇していた碧は、好奇心に負けて体育館裏をこっそりのぞくことにした。 どうせ下級生いじめだろう なんて軽いことを考えていたのだが……
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