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「――っ……は…」
チンピラ共と大して変わらないことを自分はしようとしていた。
碧は自分自身に驚いていた。普段なら面倒は嫌いだし、帰って寝ることぐらいしか考えないのに。
それなのに、今、唇を重ねている。さらに言えば、相手は男で、友達でもなくて………
混乱するものの、既に身体は言うことをきかない。紅蓮の声を聞いたときドキッとして、それでもって壊したいなんて思って。
「それ、手伝ってあげようか?」
後ろから抱きつき、意地悪く言う。いや、わざとらしく聞いたともいえるが。首を横に振る紅蓮。でも身体はもう限界で、熱を持ったソレをどうすればいいか分からずにいる。
そっと触れると、紅蓮の身体がビクッとした。
「いい顔するねぇ」
「…は…ぁ…はぁ………っ」
声を我慢しようと口を押さえる紅蓮。それを見て意地でも我慢させまいと首を強く噛んだ。
「!!…あっ…んっ……」
我慢も虚しく、噛まれたあとイッてしまったことで顔を真っ赤にする。
「お前、いつもこうなの?」
ああ、俺はもう嫌われたな。そんな風に思った。さっきまでいた学生と変わらない。紅蓮で遊んだんだ…と心では反省するが、今さら謝ったところでもう遅い。
「いいよ。別に……こういうことしたくなったら、言って…」
予期せぬ事態に唖然とする。
さっきまで嫌がってなかったか?いや、でもさっきとは雰囲気がどことなく違うような気がした。なんというか、空気は冷たくて重かった。
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