104人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は今全速力で学校まで続く桜並木の緩やかな坂を走っている。
俺は今日から高校2年生になるわけだが、今遅刻しそうなのである。
なぜ遅刻しそうなのかと言うと、ベタだが目覚まし時計が止まっていた。そして家を出たのが8時23分。学校は俺の家から歩いて10分くらいの所にある。
なんとか校門まで走りきった俺だが周りにはもう人がいない。
と思っていたら一人の女生徒が立っていた。
リボンの色から先輩の3年生だということは分かった。
そしてその人を一言で表すと美人だった。髪は腰まで伸ばしており髪の色漆黒だった。スタイルは抜群で顔は目が少しつり目だか綺麗だった。
その人が口を開いた。
「遅刻よ」
最初は風紀委員だと思ったけど腕章を付けていなかった。
「あの誰ですか?風紀委員じゃないですよね?」
「私を知らないの!?」
その人はひどくビックリしたみたいに言った。
「そう。存外知られていないものね」
『そう』までは聞こえたのだがその後が小声で言われたので聞き取れなかった。
「あなたの学年組名前を教えてくれない?」
最初のコメントを投稿しよう!