1 後悔

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飲み会は7時からスタートした。 一次会、二次会ときて只今三次会目につきあわされている、一向に上司の愚痴も尽きる事無く、二次会目には話がループしていた。 「まぁ、頑張れや」 密かに囁かれた同僚の三村に肩を叩かれ、フゥと深いため息がでた。 テーブルに並ぶ肴の数々に手を伸ばし、口へと運んでいった。 そのとき 「佐久間君そろそろ電車大丈夫?」 そう言われて、酒の入って思考が上手く働かない中でおもむろに自分の携帯を出した。 メール 一件✉ と表示されていたが、内蔵されている時計を見ると、今返す事が出来るような時間では無いことがわかると、一気に酔いが醒めたような気がした。「いっけね、終電やばい。」 と、思わず口に出してしまったため、食べていた物が少し飛び出た。 慌てて上司のもとに行き事情を話したが、上司は完全に酔っていて、まともな会話できるような状態では無い。 「さっくん。もぉ帰るの?良いじゃないもう一件まわろぉ?」 冗談じゃない。 これ以上いくら、上司のお願いだとしても明日の彼女とのデートはバスするわけにはいかない。ってか"さっくん"ってなんだよ…社内の女性陣から言われるあだ名であって、いくら上司でも男に言われたくない。 キモい… そんな事を想っていたが、決して言えるような物ではなかった。 半ばごり押し状態で無理やり帰るようにした。 「すいません…お先に失礼します。」 と、同僚に告げると自分は逃げるようにその場を後にした。 もう一度時計を見る… やっぱり時間的にやばい… 間に合うか? 無理か? などと考えながら、足早に駅へと早足で歩いていた。時間は終電間近なのに若者たちはチャラチャラとした格好で未だに駅前をストリートダンスで盛り上がっていた。 ついつい見とれそうになるが、流石に見とれているような時間はなかった。 幸いにも駅前の飲み屋でやって居たため、駅までは時間もかからず、つくことができた。 改札機に定期をタッチし、また早足で素早く階段を昇っているときだ、後ろからの声が自分の足を止めた。 「久しぶり。さっくん…」
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