You are a ghost,aren't you?

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やけに呼吸が苦しい。 「だが、多くの事に興味を持つのは悪い事ではない。」 「…は、い。」 邪悪な気配ではなかった。 ただ、気圧された。 まるで幾千もの時を経たかのような威圧感。 しかしそれは直ぐに掻き消された。 「ああ、シュリ見つけたさー。…て、あれ?」 「兄ちゃん…。」 穏やかな、慣れた空気。 依存に近い感情。 「校長先生さー。シュリなんかしたん?」 「いいや、彼女は何もしてはいないよ。」 「そ?なら、連れてっても良いやんね?」 す、と引かれた腕の従い、シュリはゆっくりと歩き出した。 「なーんか怖い感じの人さねー。」 「そーだね…」 二人してベンチに座ってぼんやりと空を眺める。 「兄ちゃんはホントに良いタイミングで現れるよねー。」 「そりゃ、兄ちゃん自他共に認めるシスコンやけん。チェックしてるんさー。」 「そーなのかー…」 「そーそー。家族が一番やけんね。」 血は繋がっていなくとも、家族。 カイリの言葉に顔を綻ばせながらシュリはゆっくりと口を開く。 「意外とホニン族って事に風当たりが強いよねー。」 「…キツい?」 「んーん。面白い。」 放課後の中庭をゆっくりと夕陽が染めてゆく。 「相変わらず順応力高いさー。何処でも飛んでいっちゃうけんね。」 「そ?でも私は私で結構兄ちゃんに依存してるけどなー。」 「兄ちゃんうさぎやけん飛んでったら泣くさー。」 もういっそ声の事を相談してしまおうかと考えソレをぐっと飲み込んだ。 「兄ちゃん兄ちゃん。私がどうしよーもなくなったら助けてねー。」 「任せるさー。」 それは、確かに依存だった。
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