Maybe,it is an introduction .

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「やー…、ほんとに受かってるなんて兄ちゃんびっくりさー。」 「むしろ私がびっくりしとるよ。兄ちゃんも一緒に学校行くなんてねー。」 「手違いで落とされとったのは兄ちゃんもびっくりさー。でもシュリと学校行けるんは嬉しいさー。」 一瞬、その兄の笑みに不思議なものを感じつつ、シュリは二通に増えた通知書を読む。 「兄ちゃん、大抵のものは家にあるけど、ローブはどーする?」 「マキシの叔母さんが作ってくれるらしいさ。叔母さんが作ったローブは外国じゃブランドで凄く高いらしいけん、よかったなー。」 「ん。ならなんで叔母さんが作ったローブ、あんなに安く買い取られるんかな。」 「問屋が一杯あるんさー、きっと。」 合格通知の話が広まり一気に賑やかになった村の中を歩く。 あちこちから溢れてくる魔力が暖かく、心地良い。 踊るような其を肌で感じながらシュリは文字を指でなぞった。 「カイリ・エーテルの入学を認める、て。」 「何かてれるやんね。ちゃんとシュリのもシュリ・ロードって書いてあるさ。」 「へっへっへ。」 「不気味さー、シュリ。」 二人は、兄妹のようで、実は違う。 カイリは幼少期に両親を無くし、シュリの家に引き取られている。 シュリの両親も他界した今は、二人だけで暮らしていた。 「ま、よかったさ。シュリが居なくなったら兄ちゃん寂しさのあまりに死んじゃうけん。」 「兄ちゃんうさぎとちがうし。」 「じゃ、魔法でうさみみつけてみよか?」 「気持ち悪いよ、たぶん。」 「にーちゃんもそう思う。」 二人して、顔を見合わせたのだった。
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