1/1
前へ
/48ページ
次へ

ずっと思っていた 何より自分が一番だと 皆 誰よりも何よりも 自分が可愛いと 友だちなんて口だけ いざとなると直ぐに逃げ出す… そう思っていた だから私は 目の前で起こった現実を 受けとめられなかったのだろう… 飛び散った無数の血痕 私の代わりに命を失った友だち 叫び声が響き渡る それが私の声だと気付いた時には 先ほどまで動いていたと思われる彼の心臓が もう動いていなかった 分からない 人の心は何? 私のこの感情は何? 私の頬を流れるこの生暖かいものは何? いくつもの謎を尋ねても 彼方はなにも答えてくれない ねぇ… 彼方の大切なものって…何?
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加