プロローグ

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2007年冬―都内某所― 「ハァ……ハァハァ…」 『優太さん、しっかりして優太さん。』 「……っは…ハァハァ…か、香奈恵さん?」 周りを見渡してみると そこには30代後半の女性が、床に膝を立てながらおれの顔を心配そうな表情で見ている 時刻は夜中の2時 「おれ…また……クソッ」 「大丈夫ですか?また夢…ですか?」 香奈恵さんは複雑な表情を浮かべている 「…はい。すいません香奈恵さん、起こしてしまって。」 『いえ、トイレで部屋の前を通ったらうなされていた様だったので…』 「もう大丈夫です。」 『そうですか、何かあったら呼んでください…ね?私は部屋にいますから。』 「ありがとうございます。本当にもう大丈夫ですから。」 香奈恵さんはその言葉を聞くと一度小さく頷き立ち上がって後ろを向こうとした時、一瞬悲しそうな顔を浮かべていた気がする…
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