153人が本棚に入れています
本棚に追加
不躾な視線を送ってくるだけで、なかなか話しださない女に、僕はため息を吐いてから声をかけた。
「で、タクのことでしょ?なんですか?」
僕がタクの名前を出すとキッと睨みつけてきた女は、注文した紅茶を一口飲んでからやっと口を開いた。
「単刀直入にお尋ねします。」
「なんでしょう?」
冷静さを意識して話す女に、僕もいたって冷静に話す。
話の内容は、予想がつくから。
「タクミさんとはどうゆう関係ですの?」
「恋人です。」
問われたことに即答すれば、女は絶句した。
知っていてきたんじゃないのだろうか?それともそんなハズがないと思っていたか。
「男同士ですよ?恋人なんてっ!」
後者の予想があたったことに納得して、顔を赤くして怒る女に視線を向ける。
「あなたがどう思おうが、僕たちは恋人同士です。」
理解できない人には、理解できない。嫌悪する人に認めろと強要するつもりはない。
けれど、これは事実だ。
他人の意見なんて必要としていない。僕たちは、愛し合っているんだから。
それだけが、事実。
「そんなの認められないわ!」
「あなたに認めてもらう必要はありません。」
.
最初のコメントを投稿しよう!