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「つか、なんの本読んでたんだ?」
いい感じの言い訳が思い付かなかったので、取り合えず適当に話を逸らした。
『嫌な兄貴の抹殺法』的な本じゃないといいな……
「………」
「千夏?」
「………」
何故かわからないが、いきなり真っ赤になって黙ってしまった。
そんなに辱めるような事言ったかな?
「お~い!」
千夏が恥ずかしそうにしているのをいいことに、ちょっと強気な発言をしてみた。
「な、内緒!」
なんか、さっきまでのイメージと違って、千夏が女の子らしく、可愛く見えた。
金パだけど……
「なんで?」
「今日会ったばっかりなのに、いきなり趣味の話なんて……」
普通、そういうところから話を掘り下げていって、親しくなっていくもんなんじゃないのか?
その普通と思っている事を俺は、したことがないんだけどね…
「なに考えてんの!?」
千夏は、凄みをきかせた声で詰め寄ってきた。
さっきまでせっかく可愛い雰囲気だったのに……
「うぅ~。」
「なんでいきなり泣きそうな顔してんのよ……てゆーか!なんでちなの名前呼んでたの!?」
やべぇ、なんか当たり障り無い言い訳を……
思いつかねぇ!
もう何でもいいや……
「お兄ちゃん?」
「いや、千夏って可愛いなぁ~♪なんて…」
その瞬間、千夏がじとっとした視線を向けていた。
「絶対、嘘だ……」
やっぱり信じてくれなかった。
適当に言ったが、リアルな話、金パをやめれば絶対可愛いと思う!
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