金色の義妹、襲来

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本屋の駐輪場に自転車を停め、店内に入った瞬間、千夏は小説コーナーにパタパタ走っていった。 店の中は走るなって注意する前に、俺の頭の中には一つの考えが浮かんでいた。 千夏、ラノベ買いたかったんだな! オタクっぽいから、出来ることなら知られたくないと! なるほどなるほど! 俺は、勝手に納得して、小説コーナーに行った千夏のところに行ってみた。 千夏は簡単に見つかったんだが、俺が予想したラノベではない全く別のコーナーを物色していた。 千夏さん、それって… 「どれにしよっかなぁ~」 「千夏。」 「ん?ひ、ひょわーっ!お、おおおお兄ちゃん!!??」 どんだけ驚いてんだよ。 まぁ千夏が物色してた本的に、俺から話しかけられたら驚くだろうな。 なんたって、千夏が物色していた本は、『官能小説』もっとわかりやすく言えば、『エロ小説』なのだから! 「これは、その……」 千夏はもじもじしていたが、俺は、冷やかしたり罵るつもりは全くなかった。 「あの……お兄ちゃん?」 「ん?」 「やっぱり、引いた?」 「全然。びっくりはしたけどな!」 作ったような台詞だが、嘘ではない。 千夏が不良じゃないってわかった時の衝撃に比べれば、エロ小説くらいなんともない。 「よかったぁ~。」 「お前心配しすぎだろ?」 「だって、嫌われたくなかったんだもん!」 「嫌わねぇって。」 「絶対?」 「絶対。」 絶対というのが嬉しかったのか、千夏はにっこり笑っていた。 ふと思ったが、千夏のこういう顔見られるのって、俺だけだったりする!?
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