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そのまま部屋に戻るのは、千夏の疑いを深めてしまうと思った俺は、本物に水を飲みに行くことにした。
「ぷはぁーっ!」
さっき、千夏が恐ろしくて、脂汗を掻きまくって水分不足だったから、水が全身に染み渡っていくようだった。
「ずいぶん美味しそうに飲むわね。そんなに喉渇いてたの?」
「ちょっと汗掻いちゃって。」
キッチンに母さんが入ってきた。
せっかくだから、母さんに千夏のこと聞いてみるか。
「なぁ母さん、千夏ってどんな子なんだ?」
「あらあら、勇志も千夏に興味津々なのね!」
確かに千夏に興味はあるが、母さんが言う興味津々と、俺の興味があるというのは、全くの別物だ。
「千夏って、不良なのか?」
遠回しに言うと、はぐらかされそうな気がしたので、単刀直入に言ってみた。
「不良ではないんだけど、ちょっと訳ありであんな髪の色にしてるのよ。」
母さんは、困ったような笑顔を浮かべていたが、ちゃんと答えてくれた。
つか、金パにしなきゃなんない理由って何だろう?
俺は、そんな事を考えながら、母さんの方を見てみた。
「理由は教えないわよ!知りたかったら、千夏に直接聞きなさい!」
俺の願いは、見事に一蹴された。
聞けるわけねぇってわかってるだろうに…
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