空白の翼

ドラゴン

この世界はいわゆるファンタジーの世界でよく出てくる世界そのものかも知れない。
周りには大草原が広がり、空は清々しいほど青かった。
しかし、建物と言えそうな建物が見当たらない。

まぁ、それは無理も無い。
何せここは、人間が住む場所とは遠くかけ離れているからだ。

ここには多くの野生動物が暮らす。ウサギ、シマウマ、ライオン、ジャッカル、象…。

そして、この世界には魔物といわれる怪物がいるのだ。

その代表といってもいい魔物の名は…

ドラゴンだった。

ドラゴンは他の動物と比べると、あまりにも長すぎる寿命を持つ。
力は強く、口から火を吐き、場合によっては相手を焼き殺してしまう。

そして最も恐ろしいのは、その頭脳だ。
なんとドラゴンの知能は人間と比較してもそう変わらない知能を持っていた。

しかし、ドラゴン達は人間らしい家は作らない。ドラゴンの家といったら洞窟なのだ。これはドラゴンの本能なのかも知れない。
人間だって人それぞれで好きな家は違う。和風な家を好む人もいれば、洋風な家を好む人もいる。それと同じなのかもしれない。

要するにこの世界にはドラゴンが存在するのだ。それも人間とはそんな変わらない頭脳を持つドラゴン達が。