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「まさか……強盗?」
「おい!!怖いこと言うなよー!!」
俺の【強盗】という言葉にびびった直正だが、少し覚悟した様に言った。
「なぁ……一応、武器になる様な物探さないか?」
「武器?」
「もし強盗とか殺人犯でも、こっちが武器持ってりゃ少しは安心だろ?」
その言葉に頷いた俺は、急いでキッチンまで行き包丁を手に取った。
親はどちらとも遠い会社に行ってるから、普段から家には居ない。
だから家を片付けたり料理をするのは普段俺な為、包丁を勝手に奪っても怒る奴なんか居ない。
「あいよ」
また直正の所に戻って来て、包丁を手渡した。
「包丁って!!何か俺らが殺人犯みたいじゃん」
さっきまで威勢が良かった直正が、突然弱音を吐き出した。
「まぁ殺す訳じゃねーし、大丈夫っしょ」
そして直正に向かってピースすると、直正は項垂れた。
「わーったよ」
俺と直正は、包丁を手にし、玄関を見て構えた。
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