山にも町にも小さな音、大きな音は鳴り響き

林業関係の仕事をしているという常連さんが、そうこえをあげる。

‥この辺の人たちは、みな暇さえあれば集まって酒を飲んでいる。

土間には、雑貨屋めいた棚がならぶ。
横の壁ぎわにカウンターがあり、そこに丸椅子が何脚かあるだけ。

「あー、タカ兄！おかえりー！」

「ただいま。サクミちゃん、きてたんだ」

４軒となりのサクミちゃんがきて、お客さんをあしらってくれていた。

サクミちゃんの家は、いちどローカルなコンビニチェーンに入ったものの、その親会社がすぐ倒産したために、いまでは独自路線のスーパーとして営業している。

サクミちゃんも、学校から帰るとレジに立って家業を手伝っている。

「きょうは休みなの？」

と足をとめることなくぼくはこえをかける。