The Three Musketeers

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-カッカッカカカカカッカッ 落ち着きのない足音。 アイツが帰って来た! **side Kanarie** -バンッ 「カナリーぃ!!!」 「よッ!お帰りぃ」 「お帰りぃじゃないでしょ!この手紙なんなのさ!!」 「何って。書いてあるまんまですよ」 「だから!なんなんだよォォォ!!!」 帰国早々騒がしいヤツ。 2年経っても相変わらずだね。 「手紙を読んだから帰ってきたんでしょ?」 「帰国命令だから帰ってきたの!近衛隊の暗号なんて分かるわけないじゃん」 「はぁ?何言ってんの?暗号なんて知らないよ」 「じゃあ、これ何?」 マークが差し出したのは俺からの手紙。 「手紙ですよね?」 「だからぁ!」 「まぁ、お座りなさいよ」 「座ってる場合じゃないでしょ!カナリーは呑気なんだよ!」 「俺が呑気?初めて言われた」 「呑気が嫌ならノンビリね!」 あー。騒がしい。 帰国させるんじゃなかった…。 -カッコン カッコ カッ~ カッコン この不規則かつ運動音痴丸出しのスキップはアイツだな。 -バンッ 「マークぅ。お帰りぃ」 「ショーンちゃん!ただいまぁ~♪」 面倒くさい登場の仕方だねぇ。 下手くそなクセにスキップって。 どんだけ歓迎モードなんだよ。 「2年ぶりかぁ~。元気そうだな」 「元気。元気。元気だよ~ん♪」 「ドコに行ってた?」 「西へ行ってそれから東」 「へぇ~。お疲れさまぁ~♪」 出たっ!! “あの”“あれ”で成立する熟年夫婦の如くツーカーな会話。 「ショーンさんもマークも、さっきから何をご機嫌に音符を飛ばしてるんですか。つか、西へ行って東って、そんなの分かるわけないでしょ!!」 「新大陸へ行ってから地中海をクルージングだろ」 「そう!さすがショーンちゃんッ!!」 「だから“ちゃん”はやめろってぇ!」 「そうだったね。ゴメンネ。ショーンちゃん」 「ぐふっ…」 騒がしさ倍増だね。 今度は2人まとめて海に出してやるよ。 「あのね。ここは俺の執務室ですよ。騒ぐならショーンさんの部屋でやってください」 「俺の?ヤぁーダぁーよぉー」 「ねぇねぇ!ニューブリッジに行こうよ!もう、仕事は終わりでしょ」 「貴方たちの奢りならいいですよ。ショーンさん、馬車を呼んでくださいね。ヘタレックスの迎えのついでに俺のフリッターもヨロシク」 「ヘタレじゃねーっつうの!」 
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