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「カンパ~イ」
「うめェ~♪」
「もう音符マークはいいですよ」
万年お花畑だねぇ。
コイツって悩みあんのか?
「やっぱニューブリッジの酒場は活気があっていいね」
「海の上より数段いいだろ?」
「海も負けてないよ。いいとこい~っぱいあるもん」
「そうだな」
海ねぇ…。
コイツは迷わず海を選んだ。
そんなにもイングリッドで生きるのは辛いのか…。
「そうだ!暗号の意味教えてよ」
「暗号って何だ?俺、聞いてないぞ」
「お前さっきも暗号って言ったよな。何の事なんだよ」
「だからぁ、カナリーの手紙だよ。これっ!」
また、俺の手紙を出してきた。
手紙のドコが暗号なんだよ。
「はん?海賊じゃあるまいし、近衛は暗号なんて使うかよ」
「海軍は海賊じゃないからね!」
「お宝を頂いてくれば、立派に海賊でしょ」
「大イングリッド艦隊だよ。海賊と一緒にしないでよ!」
あー。
よく喋るねぇ。
「どれどれ。見せてみ」
ショーンさんが俺の手紙を手にとった。
んで、目を丸くしてあんぐりしたと思ったら…。
「ぶはっ!!なんだこれ?」
笑いやがった。
バカにしてるでしょ。
あんたに言われたくないわ。
「ショーンさんまで何ですか!?」
「ごめんごめん。だけど、これじゃあ暗号って思うわな」
「でしょ!!!!やっぱりショーンちゃんだよ」
「だから“ちゃん”はやめろって!」
「あ~ん。ごめんね」
コイツら二人まとめて海賊船に乗せてやる!
「ロメリオ上陸目前だったんだよ」
「知ってますよ。だから手紙を書いたんですよ」
「えっ!?まさかマジだったの?」
「“がんばれ”って、これだけじゃマークも暗号だと思うわな」
「そうだよ。せめてビックリマークくらい付けて欲しかったよ」
「はいはい。次はそうしますよ」
ゴタゴタうるさいねぇ。
海賊船に乗せて、それからクジラの餌にしてやるさ。
「ところで、この2年の間に何度かロメリオに行ったんだろ?」
「3回行ったよ。商人に変装して公爵に胡椒を献上してきた」
胡椒って!?
そんな高価な物をマークは持っているのか。
やっぱり、海賊だわ。
「胡椒とは奮発したな。公爵は喜んでいたか?」
「そりゃね。お礼にって、歌も披露してくれた。噂以上の美声だわ。ありゃ、法王もコロッとするね」
公爵の歌声が法王を虜にしたと聞いたけど、そんな歌声だけでアスラトシムが膝を折るのか。
一体何者なんだ。
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