The Three Musketeers

6/6
前へ
/46ページ
次へ
満月の次の夜。 もう何度目かな。 **side Shaun** マジュンに文を送った。 メロを養女にすると。 そして、スカーレット家から嫁に出すと。 俺はな…メロが好きなんだ。 知らなかっただろ? 「ショーンさん。月に何を見てるんです?愛しい方を想ってました?」 「えっ!?」 いつも俺の心を見透かしてくるな。 「ショーンちゃんは月を観て、メロちゃんを想い出してるんだよね」 「ぐっ…!!」 コイツの動物的な嗅覚は海にいても衰えないな。 しかし、何故バレた? メロのことは軽くしか話してないぞ。 「好きなんでしょ。だったら嫁にしなさいよ」 「ひぇぇぇへぇぇ…!?」 -カクッ 「ぎゃ!!わぁぉッ?!」 「大丈夫?ショーンちゃん」 石に躓いてよろけそうになった。 マークが掴んでくれて事なきを得たが。 「しっかり前を見て歩きなさいよ」 この、ドSぅぅぅ!!! ニューブリッジの酒を抜こうとブラブラ歩いているのだが、何故かこうなってしまった。 「あなたはアヤでいるときが本来の姿なんですよ」 「へっ?!」 「だよねぇ~。ショーンちゃんはアヤの話をするときが一番楽しそうだよね。ぐふふ。うひゃ」 俺に向けるコイツらの目。 二人揃って三日月形だぜ!? 「話しちゃいなさいよ」 「メロちゃんってどんな娘?」 俺の恋心をサカナにしようってのか? コイツらに喋ったら、末代まで笑い種にされるな。 「いや。ふつうのジプシーの娘だ」 背筋を伸ばして平静を装いながらチラッと横目で様子を窺うも…既に両腕をガチッと取り押さえられてしまった。 三日月形の4つの目が俺を襲う。 「吐いてラクになりなさ~い」 「メロちゃんのどんなところが好きなの?」 「あ。いや…!!まあ。笑顔というか…全部です!!」 あッ?! 言ってしまった…!! 「だったら嫁にするしかないですね」 「あ…。でも、メロの気持ちが…その…まだ…」 「なに?!まだそこなの?」 「はい…。まだ…そこ…です」 なんでこうなるのかなあ。 次の展開が恐ろしいわ。 「キャハッハ。天下のスカーレット侯爵がぁ~。キャハハハハハハハッ」 「ショーンちゃんウブだね。うひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」 「笑うなぁっ…!!」 やっぱりね。 トホホ。  
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

102人が本棚に入れています
本棚に追加