ten years ago

3/7
前へ
/46ページ
次へ
ほぇ~! 馬車だ。 大きな造りだなぁ。 -ヒヒーン 馬が4頭もいる。 こりゃ立派だわ! たまに街で貴族の馬車を見掛けるけど、こんなにデケぇのは初めて見た。 しかし、なんで馬車なんかいるんだ? お役人の馬車かな? あっ!? もしかして父ちゃんのヤツ、お縄になることをやっちゃったとか? タイヘンダァァァ!!!! 父ちゃんが連れて行かれる!!!! -バタンッ おいらは家に駆け込んだ。 「父ちゃん!父ちゃん!」 家に入るとお役人が居やがった。 父ちゃんを捕まえるつもりだな。 渡すもんか! 父ちゃんはおいらが守る!! 「お役人様。父ちゃんを連れて行かないで。頼むから。お願いします」 おいらは必死に頭を下げた。 父ちゃんを連れて行かれると、おいらひとりぼっちだもん。 イヤだよ。 寂しいよ。 家の中にはお役人が3人。 父ちゃんの姿が見えない。 もう連れて行かれたのか? まだ馬車もお役人も居る。 父ちゃんも居るはずだ! 「お帰りなさいませ。サーシュ様」 「サーシュ?」 誰のこと? あれっ!? 人違い? ってことは、父ちゃんは無実だぁ! まったく人騒がせなヤツらだ。 だからお役人は嫌いなんだよ。 「あのね。おいらはリータ。人違いだよ。残念だねぇ~。てか、父ちゃんはドコ?」 「リータ。私が誰か分からないのか?」 「へんッ!気安く呼ぶなよ!あんたなんか知るわけないだろ!」 は…ん? 「あっぁぁああ!父ちゃあん!?」 ビックリして声が裏返っちゃった。 おいらの目の前に居る、キレイな衣装を着飾ったお役人が…父ちゃん!? どうなってるんだ?
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

102人が本棚に入れています
本棚に追加