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ほぇ~!
馬車だ。
大きな造りだなぁ。
-ヒヒーン
馬が4頭もいる。
こりゃ立派だわ!
たまに街で貴族の馬車を見掛けるけど、こんなにデケぇのは初めて見た。
しかし、なんで馬車なんかいるんだ?
お役人の馬車かな?
あっ!?
もしかして父ちゃんのヤツ、お縄になることをやっちゃったとか?
タイヘンダァァァ!!!!
父ちゃんが連れて行かれる!!!!
-バタンッ
おいらは家に駆け込んだ。
「父ちゃん!父ちゃん!」
家に入るとお役人が居やがった。
父ちゃんを捕まえるつもりだな。
渡すもんか!
父ちゃんはおいらが守る!!
「お役人様。父ちゃんを連れて行かないで。頼むから。お願いします」
おいらは必死に頭を下げた。
父ちゃんを連れて行かれると、おいらひとりぼっちだもん。
イヤだよ。
寂しいよ。
家の中にはお役人が3人。
父ちゃんの姿が見えない。
もう連れて行かれたのか?
まだ馬車もお役人も居る。
父ちゃんも居るはずだ!
「お帰りなさいませ。サーシュ様」
「サーシュ?」
誰のこと?
あれっ!?
人違い?
ってことは、父ちゃんは無実だぁ!
まったく人騒がせなヤツらだ。
だからお役人は嫌いなんだよ。
「あのね。おいらはリータ。人違いだよ。残念だねぇ~。てか、父ちゃんはドコ?」
「リータ。私が誰か分からないのか?」
「へんッ!気安く呼ぶなよ!あんたなんか知るわけないだろ!」
は…ん?
「あっぁぁああ!父ちゃあん!?」
ビックリして声が裏返っちゃった。
おいらの目の前に居る、キレイな衣装を着飾ったお役人が…父ちゃん!?
どうなってるんだ?
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