運命の再会

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会場には、私と同期入社の社員が大勢並んでいた。 みんなそれぞれきちんとスーツを着こなし、顔はやる気満々って感じ。 言ってみれば、今ここに並んでいるみんなが私にとってライバルだし、この競争社会を生き抜くためには、すでに戦いは始まっているんだよね。 私は姿勢を正し、きりっと正面を見据えた。 「ただいまより、入社式を始めたいと思います」 マイクから聞こえる声に、私たちは緊張の瞬間を迎えた。 一斉に静まる会場。 私の耳には、イスのきしむ音と、僅かな息遣いだけしか聞こえない。 「当初予定しておりました社長の挨拶ですが、社長が急きょ体調を崩し現在入院されております。よって本日は欠席ということで、代わりに専務より挨拶させていただきたいと思います。では専務、お願い致します」 社長が不在だということで、会場が少しざわめいた。 えーーー、いきなり社長が入院って、どこがお悪いのかしら? ちょっと~、この会社大丈夫よね?と、初日早々少し不安を感じる私。 でも、それはほんの束の間の出来事。 専務の挨拶が始まった途端、会場はまたシーンと静まり、温かい励ましの言葉に胸を熱く打たれる新入社員たちの顔がそこにあった。
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