8人が本棚に入れています
本棚に追加
入ってきたのは、
「ラーメンに指つっこんで運んできたのっ!」
ニコニコと白い歯を見せながらマシンガントークを繰り広げている英語担当のあいばさんと、
「そりゃちょっと、ないわなぁ」
確か、現代社会担当のおおの先生。一度も授業を受けたことがないから顔と名前しか知らないけど。
「そういえばりーだー次の子決まったの?」
「ん~~?」
先程開けたカーテンの隙間から様子を覗いてみると、おおの先生が丁度見えた。
ねぇねぇと何度も聞いてくるあいばさんに対して、俺の視線に気づいたのか、おおの先生がふいっとこちらを向いた。
あ、
視線が交わってしまい、すばやくタオルケットで顔を隠したけれど、おおの先生の“ふふっ”と小さく笑う声が聞こえた。恐る恐るタオルケットから顔を覗かせてみると、おおのせんせいはふにゃりと笑ってまだ俺を見ていた。
「で、次の生徒はだれだれっ!」
あいばさんの大きな声に、おおの先生は“静かにしろよー”と笑ったあと、
「ひ・み・つ」
と唇を尖らせてはまた俺を見てふにゃりと笑い、保健室を出ていった。
「ま、まってよー!!」
あいばさんもおおの先生を追いかけるように出ていったけど、何コレ。
絶対聞いちゃいけない内容だったよね、“次の生徒”って…何だよソレ。
なんか今日、色々とツイてないや。
.
最初のコメントを投稿しよう!