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背はヴィヴィより少し低い位だろう。
纏う衣服は極めて活発的。
運動用の黒いブーツに、脚を付け根辺りまで露出させた、黒いホットパンツ。
膝にはグレーのサポーターをはめ、手には指なしの黒いグローブ。
上に纏う物もまた、腹部と胸部を大きく開いた、短く黒いチューブトップ。
その上に羽織る、真紅の丈の短い長袖のジャケットは、ナルクヮと同じデザイン。
背中まで伸びた長い亜麻色の髪が、屈伸で上下する度に、元気よく揺れる。
愛らしい目鼻立ちは、猫を彷彿とさせる……。
「っし、いっちょ行きますかぁ~!」
そして彼女は、姿勢を低く構え、右手に巨大な鎌を出現させた。
『キャット。お前は真っ直ぐターゲットを狙え』
「了か~い。に~はバックアップ宜しくね~」
『ヴィヴィ、キャットの後、スリー行けるか?』
「はい! ……17……16……15!!」
その瞬間、狙撃銃は爆音を轟かせ、火を吹いた。
直後、高威力の弾丸は、拳銃の弾を弾いた防弾ガラスを、物ともせずに貫いた。
そして、貫かれた車は、ドライバーを失って暴走し、隣の車に激突して巻き込み、大きく派手に横転し、大クラッシュを起こす。
その状況を、レイヴンは高く飛び上がって回避し、クラッシュに巻き込まれて行くポーン達を見下ろす。
その時既に、ヴィヴィは二発目を発砲し、弾丸は向かって左から二番目の車を貫き、同様に最も左の車を巻き込んでクラッシュを発生させた。
縦に、横に、激しく回転する、装甲の厚い黒い車の上で、ポーン達は成す術無く巻き込まれ、纏めて消滅して行く。
その激動のなかを、確実な運転で回避する中央の車の上に、鎌を持つ少女は着地した。
そして、今一度踏み込み、その後方を走る車へと跳ぶ。
「やあぁっ!!」
そして、着地の寸前、掬い上げる様に大鎌を振り上げ、そして、もう一度車の上を蹴り、飛び越す。
その刃は、車体をすり抜ける様に通過し、左右に一刀両断した。
それと同時にヴィヴィは、クラッシュを抜けて、自身の目の前に迫る中央の車に向け、もう一発放つ。
だが、車に直撃はしたものの、車に変化は無い。
ドライバーに弾丸をかわされた。
だが、もう一発撃つ時間は、もう残されていない。
彼女は素早く上空に飛び上がり、車との衝突を避ける。
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