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ようやく辿り着いた病院の自動ドアへ突進の勢いで潜ったら、受付へ一直線。
私の勢いに若干及び腰な事務員さんにたたき付けるように、
「すみませんっ」
と吐き出せば。
後ろから、とんとん、と肩を叩かれて全力で振り返った。
「あ…西村さん」
その顔を見た瞬間に、張り詰めていた神経がふつりと切れて、そのまま崩れそうになる。
それでもなんとか踏み止まって。
「あの、あのっあの…」
「こっちです」
私を彼女の下へと導く背中を追い掛けながら。
私は深く息を吸い込み、お腹に力を入れた。
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