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『……ぁ』
『あ……、ごめっ///』
『…………』
放心状態の私に短く謝って
アヤは私の腰に手を回したまま、額同士をコツンとぶつけてきた
『豊が何と言おうと、俺は戻ってくるよ。
豊に消えない傷をつけたのは俺だから……一生かけても償うよ』
この…
私のこの心臓の苦しさが何なのか
自分の事で一杯だった私は
アヤの言葉を、最後の一言で理解した
償い……
これから新しい生活を送っていくアヤが
傷の償いだけのために自分の元に戻ってくる
そんなの……
『…んなの、結構よ!!』
苦しい
さっきまでの苦しさとは違う、痛みのあるもの…
傷じゃない
心の……
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