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普通なら、気味悪がるか、頭がどうかしているのじゃないか?と思うところだが、両親は有りのままの姿を受け入れ、理解を示してくれた。
宮司の娘だからだろうか?母は「霊は存在する!」と信じているし、父もまた、「他の人にはない才能があるのは、良いことだ」と、楽天的な思考の持ち主だからなのかもしれないが、聖にとっては、有り難い事だった。
死亡交通事故のあった場所、墓地、総合病院等を避ける事で、極力遭遇しないよう心掛けて来たのだが、中学卒業を機に状況は一変した。
外でしか視る事のなかった霊が、連日真夜中に訪問して来るようになったのである。
それも、一人や二人ではない。
聴こえて来る声や、蠢く気配から、少なく見積もっても十数人は居る。
ハッキリした数を把握出来ていないのは、実際の数を知ってしまうのが怖くて、確かめる気になれないからだった。
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