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「どうしてもアキちゃんに、聴いて欲しい事があるんじゃない?たまには、ちゃんと聴いてあげれば?」
「冗談!自分じゃペットの犬に吠えられるから、代わりに頭を撫でて来てーとか、そんな事いちいち聞いてられっか!」
簡単そうに言った母に、半分寝ぼけ眼の仏頂面で顔を上げた聖は、フン!と鼻を鳴らして頬杖をつく。
もっと深刻な理由かと思いきや、他愛ない理由と知って、美夜子は思わず笑ってしまう。
「それくらい、聞いてあげればいいじゃない」
「一人二人ならともかく、団体様御一行状態で居るんだよ?一つでも聞いてやったりしたら、全部聞かなきゃダメになるに決まってるじゃないか。冗談じゃないよ。とっとと坊主んとこ行って、成仏させてもらえってんだよ」
うんざりだ、とブツブツ文句をこぼす。
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