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「雪兎様、あの私変じゃないでしょうか?」
顔を赤らめながら志奈は俺に尋ねてくる。
おそらくは身にまとっているその着物が似合うかどうかを尋ねたいのだろう。
そんなこと聞くまでもなく似合っているわけなんだがこの子はどうやら言葉が欲しいようだ。
「凄い綺麗だよ、なんか俺が隣にいたら釣り合わないぐらいにね。」
実際そのぐらい綺麗だと思ったので俺にしては珍しく正直な感想を言ったつもりなのだが志奈はそんなことありませんと声を荒げてしまう。
褒めてほしいのかそうじゃないのかはっきりしてほしいよ・・・
「志奈、ちゃんと準備はできてる?」
俺がこう問いかけるとさっきまでの女性的な表情は消え真剣な顔つきになり静かに首を縦に振る。
さて、それじゃあお仕事と行きますか。
俺たちはコンビニを後にし依頼人が待つ屋敷へと足を進める。
夜の闇を街燈が照らしのを何気ない気分で眺めながら歩くこと約10分、俺たちは目的の屋敷へと到達した。
金持ち層が住んでそうな外見はさることながら見た目にはそんなにあたりと遜色はないと思うのだがどうにも空気が重い気がする。
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