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「わかってるよ。俺だってまだあの世に行きたくないしな」
<後部ハッチ、開放>
笑いながらそんなことを言うヒューリー。その瞬間、輸送機の後部ハッチが艦内アナウンスの声に合わせて開いた。
激しい風が輸送機の中にへと入り込んでくる。
その後部ハッチに向かって、ヒューリーは歩き始めた。
首の後ろ側に手をあて、アーマーのボタンを押すヒューリー。すると背中から頭全体を全身と同じく、黒に塗装された金属製のヘルメットのような物が覆い被さった。
頭の形はまるで逆立ったように後ろから丸みを帯びている。両目は黄色く輝き、両側面には口元から頭の後ろまで、大きく尖ったアンテナが2つ付けられていた。
そして、やはり頭にも特徴的な白いラインが胸元に向かって走っている。
その顔はヘルメット、と言うより西洋の鎧の兜のようだ。
「……ところで聞いてなかったんだが、どうやって地上に降りるんだ!? まさか飛び降りろなんて…」
風の音に負けまいと大声でそんな質問をするヒューリーだが、リーダーである男はヒューリーに対し、グッドラックと親指を立ててみせるだけだ。
その行動だけでヒューリーは男が何を言いたいかを悟った。
「……全く。随分と無理矢理なな出撃方法だな……」
「……!? ちょっと待って下さいっ! ……大佐っ!! 艦の下から熱源反応!! ミサイルですっ!!」
「なんだと!? 敵にこちらの位置がバレたと言うのか!? くっ……ただちに出撃を停止!! ミサイルを回避しろっ!!」
「無理ですっ!! 間に合いませんっ!!」
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